怒る薬局長と叱る薬局長〜局長のあなたへ〜

怒ると叱るの違いの本はいくらでも世の中に溢れてます。ここでは,それを薬局レベルに落とし込もんで考えていこうと思います。

「怒るは直感的な思考」「叱るは論理的な思考」だと理解しています。2002のノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者のダニエルカーネマンの著書から考えても納得のいく分類かなと思います。

わかっていても怒ってしまうこと、怒ってしまった事ありませんか?僕はありました。

薬剤師になる前の事です。今思い返すと申し訳ない気持ちでいっぱいです。大学3年生の頃にレストランでバイトをしていた僕は、年数も長いこともあり、新入社員のOJT研修をしていました。相手は年上です。そこでの指導の際に、大きな声を出して、「なんでできないんだ!?」と、絵に描いたような恥ずかしい怒り方をしてしまいました。その後も新入社員は仕事ができるようにならず、また僕が怒ってしまう。そして成長を遠ざけていく。パワハラという言葉はその頃にはなく、むしろ自分が新人でバイトに入った時も大声で怒られてたので、違和感すら感じていなかったように思います。

なんでこのような怒り方をしてしまったのかを思い返すと、「自分に自信や余裕がなかった」事が大きいのかもしれません。環境もひとつの要因かもしれません。とはいえ、余裕がないから怒って良いわけがありません。反省を生かしてポジティブに捉えると、この経験やこういう気持ちを持った過去があるので、余裕がなくて怒ってしまう方の気持ちもわかります。

では、叱った経験についての話になるのですが、

そもそも、叱った経験はありますか?思い出せますか?なかなか難しいのではないでしょうか。僕はパッと思い受けべる事ができませんでした。でも、「怒る」と「叱る」の違いを考えていくと、「あの時あれは叱る事ができていたな」と思える事がありました。

「怒る」というのは、部下に対して、あなたの感情が表に出てしまい、感覚的な指導が始まってしまっている。「叱る」というのは、部下の行動に対して部下に伝えないと部下の成長につながらず、ヒヤリハットやインシデントにつながってしまい、最悪の場合、アクシデントにまで発展する可能性がある。患者さんが不幸になる。ということを部下に伝える。ということです。

行動を改めてもらうための説明は「叱る」

部下のこと、個性やキャラを攻めてしまうと「怒る」ということになります。

部下を叱るには、日頃からあなた自身の行動に意味を持たせなければなりません。そうでないと、部下育成のために仕事を伝えたい時、叱ることができず、怒ってしまいます。怒ったつもりがなくても、怒ったようにみられてしまうこともあるかと思いますが、それにも気をつけなくてはいけません。

とはいえ!怒らないって難しい。患者さんを思えばこそ感情的になってしまうこともある。薬局長だからと毅然とした対応を心がけたら、それが怖がられてしまうこともある。薬局長としての責任もある。薬局長である自分より権力を持った他のスタッフがいて…なんてこともある。

全ての悩みは人間関係に終着するなと、常々思います。

結論。

怒ると、あなたが伝えたい事とは伝わらないし、職場の空気も悪くなります。そうすると部下は、さらに仕事の覚えが悪くなるでしょう。ミスにもつながり、退職まで発展してしまうかもしれません。

薬局は狭い空間です。異動を考えるにも、かかりつけ薬剤師や、実習生受け入れ、薬剤師会との関係性など、しがらみが多く、実質異動が難しい。すると、その薬局にいる年数が長い人が権力を持ち、パワーバランスがどんどん崩れていきます。薬局長は1日でも早く、いざという時には部下を叱れるようになりたいです。

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